ポールプリンセス好きすぎてポールダンスを観に行ったよ

「ポールダンスを見に行きたい」

その気持ちは何を隠そうアニメ「ポールプリンセス」がきっかけだ。

ポールプリンセスとは、ポールダンスを題材としたアニメで、3Dのキャラクターが実際にポールダンスをするPVやストーリーが公開されている。

いずれもYouTube上で無料で全編視聴することができる。興味がある方は是非見ていただきたい。

どれも非常にクオリティが高く魅力的だ。

スタッフは以下の通りで、見ての通りプリティーな系譜を感じざるを得ないプリねぇ…

監督 - 江副仁美
脚本 - 待田堂子
CGディレクター - 乙部善弘
キャラクター原案 - トマリ
アニメーションキャラクターデザイン - 櫻井琴乃(劇場版)
音楽 - 東大路憲太
音楽制作 - avex pictures
ポールダンス監修- KAORI(STUDIO TRANSFORM)
アニメーション制作 - タツノコプロ
原作 - エイベックス・ピクチャーズ / タツノコプロ

私はこのポールプリンセスの映像美にひどく感銘を受け、あっという間にハマってしまった。

今年4月にはリアルイベントも開催され、現地参加した。チケット代がそこそこして尻込みしていたのだが、最高に満足できるイベントだった。というのも、声優の歌唱とダンサーのポールダンスが融合する素晴らしいショーを見ることができたからだ。どういうことかというと、一般的な声優イベントのようにステージでキャラソンを歌うだけにとどまらず、声優の後ろでダンサーがアニメ映像と同じポールダンスをするというもの。アニメのキャラクターの動きはモーションキャプチャーということは知っていたが、生でその技の数々を見ると迫力とシンクロ率は格別だ。ダンサーと声優で、身体性と精神性を両者で補い合う表現形式でとても素晴らしかった。ジョジョのスタンドとその持ち主のような感じかもしれない。

そもそもポールダンスを生で見るという体験もその時が初めてで、そのエネルギッシュさにまず驚いた。一般的に性的なものとされがちなポールダンスだが、その時見たポールダンスは決してそれだけでない「美しさ」「優雅さ」「かわいさ」「かっこよさ」様々な魅力が詰め込まれた芸術のように見えた。きっと、このコンテンツはポールダンスの魅力を伝えて、見た人がポールダンスを好きになるという仕掛けの企画なのだろう。まんまとその手に乗ってしまった。かつてはあまり興味がなく一生見ることはないと思っていたポールダンスだが、今では強く心惹かれている。

そんなポールプリンセスだが、来月11月23日に劇場版が公開される。もう少しでまた彼女たちに会えるのだ。

『劇場版 ポールプリンセス!!』公式サイト

https://poleprincess.jp/

この劇場版公開の発表が4月に行われた先述のイベント内なので、6か月以上待たされたわけだ。

劇場版公開まで公式の供給は全くないわけではないが、決して多いわけではなく私はうずうずしていた。

そこで私は考えた

ポールダンスを見に行こう」と

ポールダンスを見るには?

ポールダンスを見るといっても選択肢はさまざまだ。

大きく分けて「ショーパブのような店で見る」「ポールダンスのイベントで見る」の2つだ。

前者は一般的に想像するセクシーなポールダンスのイメージに近いかもしれない。飲食をしながらショーを鑑賞するというものだ。
後者はポールダンスが見られるイベントを探して行くというもので、発表会や競技の側面がある。

私は前者に行こうと考え、それを実行した。やはり元々持っていたポールダンスイメージに近いものを最初に触れたい気持ちがあった。あとは、いつでも行けるというのが良い。ポールダンスの発表会的なイベントは毎週のように開催されているわけではないが、ショーパブなら営業日にいつでもポールダンスを見られる。そういった時間の自由度の差も大きい。いずれポールダンスのイベントも行きたいと思うが、まずはそういう店に行ってみることにした。

店はあらかじめリストアップしたものから、ポールダンスを売りにしている店に絞って決めた。
選んだ店は「YAH TOKYO」だ。銀座の店ということで少しハードルの高さを感じたが一度決めたら進むしかない。もちろんこういった店に行くのは初めてで、それはそれは緊張した。 店のシステムとしては60分いくらといった時間制になっており、その間に酒を飲んだりポールダンスを見たりポールダンサーとお話したりできる。あとは、いわゆるチップという仕組みもある。 まぁ、ぶっちゃけ陰キャオタクくんが来るようなところではないだろうな…そう思いながらも予約しなければ何も始まらないと意を決して金曜の夜に予約を入れた。

YAH TOKYOへGO

いよいよ当日。仕事終わりのサラリーマンが憩いの場を求めて行き交う街に降り立ち、地下1階の店に足を踏み入れる。

店のドアを開いた瞬間に思ったことは「意外と狭い」だった。ただし、これはネガティブな意味ではなく、ステージがめちゃくちゃ近いという驚きと喜びも含んでいる。

店内の様子

オタクイベントで考えてみると、最前に座ったのはいつが最後だろうか。 普通はラッキーな人でない限り、なかなか最前でパフォーマンス見ることはできない。 しかし、この店ならば最前に座ることができる。 しかも、ただの最前ではなく誇張なしで手を伸ばせばステージに届くほどのド最前だ。

こりゃ当たりの店選べたのでは?と期待を膨らませながら着席する。

すると、即座に客1人につき1人の女性キャストがあてがわれる。しかも、露出の多いランジェリー?姿だ。まぁ、ポールダンスって肌を出すのが正装ってところあるよな…と思いつつ、異世界に来たような気持ちが加速するのだった。

ここからはお話タイムだ。「今日はなぜ来たの?」といった話題からいろいろと話が弾む。
おいおい、これじゃあ接近戦イベントじゃないか。CDを積んだ覚えもないのにゲーマーズ 6階にいるようだ。しかも、恐ろしいことにこの接近戦には”剥がし”がない。 相手もプロなので会話が途絶えないよう積極的に話を聞いてくるし、こちらが話す時はちゃんと聞いてくれる。

ちなみに、まっさきに出した話題はそう

「ポールプリンセスきっかけで見に来ました」 というきっかけの話だ。

(アニメの話しだすの、ますますオタクイベントって感じだな…)

ポールダンス題材の作品とはいえ、このパリピ空間でアニメの話は伝わらないかもなぁと思いつつ、さっそくオタクCOをしたわけだが案外すんなり話が伝わった。

どうやらキャストの方もある程度ポールプリンセスについて知っていて、少し動画も見たことがあるようだった。

しかも、私が会話した方はかつて習っていた先生がポールプリンセスのモーションキャプチャ担当していた人とのことだ。奇跡なのか、よくある話なのかわからないが、共通の話題が見つかって一安心だ。
ポールプリンセスのラジオか何かでも言っていたが、キャラクターの動きにモーションキャプチャの先生の癖とかが出ているらしく「このトリック(技のこと)はあの人だな」となんとなくわかるとも言っていた。 意外と世界は繋がってるものなんだなぁと思っていると、キャストに後ろを指差される。

なんだろうと振り返り見てみると…
そこには劇場版ポールプリンセスのポスターが!!

まさかショーパブのような過激な空間にオタクポスターがあるとは…
思っていたよりもポールプリンセスはポールダンス界に浸透しているのかもしれない。

ポールダンスチャレンジ

その後、話の流れで私が「ポールダンスを始めてみたい」ということを打ち明ける。

(はい、読者のみなさん、実は私ポールプリンセス好きすぎてポールダンスやりたくなっちゃたんです)

すると、またもキャストの方に後ろを指差され「登って天井触れたらガチャ1回できるよ」と提案され、さすがに耳を疑う。振り向くと確かに客側のスペースにポールがある。

「へ、へぇ…ほんとすか…」と返事しつつ、冗談じゃないかと再び聞いてみるがどうやら本当らしい。

せっかくならと、靴と靴下を脱ぎポールに食らいつく。

とりあえずポールに手と足でくっつくことができた。そこから尺取り虫のようによじ登る。

気づいたら目の前には天井があった。

「お、意外といけるじゃん」

要は公園にある登り棒なので、登るだけなら素人の私でもできてしまうものだ。

登ったあとに摩擦を調節しつつザザッザザッとポールを降りている時は「これを回りながらやればトリックになるのでは?」と想像をしてしまう瞬間だった。

もちろんそんな簡単にいくわけはないだろうが、ますますポールダンスをやってみたい気持ちが高ぶってしまうのだった。

…てな感じでレアな体験とガチャを回す権利を手に入れた。
天井までガチャを回すとは言うが、今回もある種「天井まで行ってガチャを回した」と言えるだろう。

ガチャの結果は、テキーラ1杯無料だった。当たりなのかよくわからないが、酒は好きなので当たりということにする。

その後も会話が続き、どういうトレーニングをしているのか?という話になった。最初の方は基礎の筋力のため筋トレをするが、ある程度ついたらポールダンスの練習で勝手に鍛えられるとのことだ。そして、筋肉が付きすぎても美しさから離れてしまうので、ストレッチを重視しているらしい。確かに、美しく踊って見せるいうのが第一にあるので、とても頷ける話だ。

なんだかポールダンスショーが始まる前の段階でめちゃくちゃ楽しんでしまった。

ガチャを引けるのも含めて、ずっとたむろできる地下アイドルの物販みたいな感覚だ。

「あー、世のキャバクラ行くおっさんたちって、声優のお渡し会とかアイドルの物販並ぶのと同じなんだな~」とか「人が人に提供する娯楽ってこの形式に辿り着くのかなぁ」とか悟りを得ているうちに、店内BGMの音量が上がりポールダンスショーの時間が始まる。

ポールダンスショー

今回ここに来た目的は接近戦ではない。ポールダンスだ!

ついに、ポールダンスショーを間近で見られる。
4月のポールプリンセスイベントでポールダンスを見た時は後方のステージから遠い席だった。

…だが今は違う。

すぐ目の前にはステージ、そして天と地をつなぐ1本のポールがある。

それらに期待のまなざしを向けていると、音楽はますます激しくなり、1人のダンサーがステージに躍り出る。

ダンサーは軽々とポールに登り、さっそく回る回る!
摩擦が0なのかと思うほどにずっと回り続ける。ただ回るだけでなく、縦横斜めと体勢を変えて様々なポーズで回る。全然止まらない。
勝手にポールダンスは頻繁に地面に足を付けて、休憩と勢い付けをやっていると思っていたが、意外と地上に降りてこないものだ。

腕だけでポールを掴み逆さまになるようなポーズにいたってはもはや重力の存在まで疑ってしまった。

そして、おそらくこの店特有のテクニックまで見ることできた。
名付けて「ダクトタッチ」(今勝手に付けた)

何をしていたかというと、ポールの上の方に登って回転してる時に、天井近くにあるダクトパイプを手で押して勢いを足していたのだ。
本来、ポールダンスにおいて一度足が地面から離れると追加で大きな勢いを稼ぐことはできない。
しかし、天井近くに張り出しているダクトを押すことで、地を足で蹴るような勢いを新たに作ることができてしまう。これは他の店でも使われるのだろうか?

1人目からこの地の利を生かした面白いテクニックに度肝を抜かれてしまった。

その後、音楽が変わり2人目のダンサーによるポールダンスが始まる。
2人目の方は1人目に比べてゆったりと妖艶な振り付けだった。
ポールプリンセスのダンス動画を見てわかってはいたが、本当にポールダンスというのは多種多様だ。 冒頭でポールプリンセスの説明をした時に述べた通り、「美しさ」「優雅さ」「かわいさ」「かっこよさ」さまざまな魅力が1本のポールで表現される。
そして、いざ間近で見てみると 「ゆったりとした優雅なトリックの方が難しそう」 と感じた。 というのも、ゆったりとしたトリックは体の柔軟さを活かしたり、難しい体勢で静止したりとかなり超人じみたトリックが多かったからだ。

そして、3人目のダンサーに移る。 3人目も妖艶で焦らすような振りが多かった。意外だったのが、ポールを登らずに床に着いた状態の振り付けも多かったことだ。かといってポールを全く使わないわけではなく、ポールに脚を掛けたり跨いだりとこれもまた色んな技がありそうだった。

こう2人目、3人目を振り返ってみるとやはり1人目のダンスはめちゃくちゃに快活で回転数も多いタイプだったなと比較することで改めてそれぞれの特徴を感じる。

この3人のポールダンス披露でこのショーは一旦終わりで、次は各キャストの紹介が始まる。

驚くべきことにお店には他に10人以上キャストがいたようで、最初に接近戦をしたキャストたちもここで紹介される。紹介される時は1人1人が短いトリックを披露していく。これも1つとして同じものはなく、見ていて飽きなかった。今回メインで踊らなかった人たちも、別の時間や日に行けば今回見た3人のようにメインのショーで踊る姿を見られるらしい。

推しができたら通っちゃうやつだ…

てなわけで、1回のショーでは3人のダンサーがメインのポールダンス+10人強のダンサーそれぞれの1トリックを見ることができた。素人目で見てもそれぞれの持ち味を生かした特徴的なパフォーマンスであることがわかる。ポールダンスといってもめちゃくちゃたくさんの表現方法と知り、私の中にあるポールダンスの世界が広がっていく感覚だ。

ポールダンスショーとしては以上だが、ここからはチップタイムが始まる。

これもまた異世界だ。

このチップタイムでは、私たち客のカウンターの上をキャストたちが高いヒールでぞろぞろと練り歩くのだ。

チップはあらかじめ現金から専用の紙幣に交換できて、それをキャストの服のいろんなところに挟んでいく。

当たり前だが、こんな経験は初めてだ。こんなシチュエーションは洋画かGTA(ゲーム)でしか見たことがない。下からマジマジと眺めるのもなんだか恥ずかしいのでチラチラ眺めつつチップを渡す。いや、見ていいものなので見ればいいんだけど、ちょっとやそっとじゃ慣れないかな。

最初は1人1人にチップを渡して感謝を伝えていたのだが、後から来るキャストたちにはもう渡すチップがなく申し訳ない顔をして耐えるしかなかった。おそらく最初に回ってくる人の方がお店の序列的に上の人たちなんだろうなぁ、逆に最後の方の人は新人さんたちなのかなと邪推しつつチップタイムが終了。この時間のショーとしてはこれでおしまいだ。

接近戦、再び

まだ時間に余裕があるので、ここからまたキャストとの接近戦が始まる。最初の人とは違う人が来たので、同じようにポールプリンセスの話をするとやはりまた伝わる。しかも、1人目より食いつきが良くポールプリンセスの動画も視聴済で来月劇場版があることも知っていて話が盛り上がった。

ポールダンスやっている人の目線でもポールプリンセスのPVのテクニックはレベルが高いらしく「初心者設定なのに私よりすごいことやってる」と漏らしていた。そして、この時もまた「ポールプリンセスのモーションアクターが知っている人」という話になった。世界、狭いな。

そして、どうやらこの2人目の方はオタク寄りのようで、アニメやゲームも触れているタイプだった。

しかも、プリティーリズムの放送時リアル女児で見ていたという。つ、繋がった!

他にループもの系のアニメが好きとのことで、シュタインズ・ゲートやリゼロを挙げていたが自分があまりそこらへん通って来なかったので別に話は弾まなかった…

また、ここでも「私がポールダンスをしたい」ということを打ち明けると良いストレッチ方法まで教えてくれた。うつ伏せの状態で脚を蛙のようにして腰を左右に揺らす、というものだ。良い話を聞けたぜ。

そんなこんなで入店から1時間以上過ぎていて、うっかり延長料金を払う羽目に。
まぁ、楽しかったからいいか。

ポールダンスを間近で鑑賞するのは本当にいい体験だったので、また行きたいものだ。
(ハマったらこわいなー)


感想を書いてみたものの、ポールダンスの素晴らしさはいくら言葉を尽くしても🤏これっぽっちも伝わらないだろう。

やはり、見てみないとわからない。というわけで…

⚠️特報⚠️

ポールダンスを見てみたいという方、それでいて11/26が空いている方へ

イベ被りして行けなくなったのでチケット1枚お譲りします。希望者はX(Twitter)かMisskeyの方でリプかDください。メールでチケット譲渡できるっぽいのでそこは心配ご無用です。

TRANSFORM NIGHT vol.19

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