そもそも「小見川千明のお遊戯会」とは?
簡潔に言うと「朗読イベント」です。 過去何度か(3回かな?)開催され、今回12月15日の回は「ふぁいなる」と銘打たれています。 ちょっと書くの遅かったですがイベント感想記事です、
「小見川千明のお遊戯会」では毎回小見川さんが好きな作品を選んで朗読してくれます。 今回は宮沢賢治の春と修羅がメインではあるのですが…まぁくわしくは次の章で。
今まではキャパ50人弱の会場でしたが、今回は会場が以前よりやや広くなり、キャパ100弱くらい。 席も埋まっているようで、前回では来られてなかったような層も来ているように見受けられました。 輪が広がっていいですね。
そして、今回から和太鼓とマリンバの演奏がつきます。 今まではアコギとピアノだったんですが、今回読む作品に合わせて和太鼓とマリンバを選んだのだと思います。
おおまかなイベントの内容は以下の通り
- 朗読
- リクリエーション?
- 歌唱
メモとかとってないので記憶だけでの情報です。
もう少し詳しい概要はチケットページへ→ https://t.livepocket.jp/e/eoaxx あとは小見川さんのnoteに当日の様子があります→ https://note.com/bungakusaron/n/n0aab2fc3f373 てかこの記事読むより動画見る方が100倍様子がわかります。 百聞は一見にしかずなので・・・
朗読パート
今回の朗読ですが、一番驚いたのは「複数の作品から宮沢賢治の世界を表現していたこと」です。 それぞれ別の詩なので、その詩ごとに別の表現を聞くことができました。 時には激しく、時には優しく、時には厳かに。
それなりに朗読イベントは小見川さん以外にも行ってるのですが、今回のような感覚になったのは初めてです。 複数の詩が続けて朗読され、一つの世界観を作り出す。
そもそも「春と修羅」は宮沢賢治の心象世界をかなり抽象的に表現した詩集だと思います。 これをそのまま朗読するのではなく、他の作品を交えることで咀嚼しやすく提供するのはかなり素晴らしい形式だと思います。 表現する世界に合った詩をつなげる、いわば「詩DJ」といった感覚。 これは他の人のイベントでもありませんでしたね。天才的発想だと思います。
朗読された作品は以下の通り。 いくつかタイトルが思い出せないものがあるので後から追記するやも。あと間違いもあるかも。
- 春と修羅 https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/1058_15403.html
- 序
- 蠕虫舞手(アンネリダタンツエーリン)
- 詩ノート https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/card47029.html
- 生徒諸君に寄せる
- 疾中 https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/card471.html
- 〔丁丁丁丁丁〕
- 銀河鉄道の夜 https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/card43737.html
- 具体的には覚えてないが最後の章の一部
- 他
春と修羅は有名な序のやつですね。 あとは蠕虫舞手なんですが間の括弧になってるところは小見川さんが読まずに、子供の声が再生されてました。 誰の声を録音したんだろう…
そして「生徒諸君に寄せる」 いわゆる朗読という言葉からイメージされるような優しい読み方ではなく、強く凛々しく激励するような感じです。
〔丁丁丁丁丁〕はすごいですね。 尊々殺々殺 殺々尊々々というフレーズは印象的でした。 リズミカルに激しく、これもまた朗読というよりは叫びのような表現でした。 これもまた朗読。
最後は「銀河鉄道の夜」これは皆さんご存知ですよね。 最後のとても切なく辛くなるパートで、思わず涙が出てしまうほどです。 一通りの朗読の最後に合った素晴らしい朗読でした。
そして、朗読の後にはそのまま「春と修羅」という題名のオリジナル曲を歌唱。 まさに春と修羅の世界を表現したような曲でした。
文字で何度も読んだ作品も、やはり朗読で聞くと違います。 小見川さんの豊かな表現力からその詩の世界観、情景が自ずと頭に浮かびます。
そして、演奏についても素晴らしかったです。 和太鼓演奏といっても1つの和太鼓ではなく、5つくらいの和太鼓が並べてあってドラムセットのような感じでした。 正直、和太鼓というものがここまで多様な表現ができる楽器とは思いませんでした。
リクリエーション?パート
えーっと、謎の時間でした。 まぁ小見川さんらしくていいんじゃないでしょうかね。
何をやったかというと「観客をステージに上がらせて曲に合わせて不味いドリンクを飲ませる」というもの。 罰ゲームみたいなものですね。 挙手制で観客の中から3人選ぶ→小見川さんがカラオケで歌う→サビでステージ上の観客がドリンクを飲む
と行った感じ。
で、客席の人は不味いドリンクで苦しむ様子を見て楽しむというもの。
まぁ見る分には面白かったですね。 変なノリの飲み会芸って感じです。
歌唱パート
歌唱パートでは小見川さんが文学作品をモチーフにしたオリジナル曲を歌ってくれます。 勝手に観光協会の文学版です。 セトリは以下の3曲
- 「夢十夜」
以前のお遊戯会でもやった曲です。 夢十夜自体も好きですし、この曲も大好きです。 第一夜をモチーフにしたものです。 歌詞には「百年」「夢」などのワードがあり初めて聞いても夢十夜だ!となるかもしれませんね。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/799_14972.html
- 「人に」
これも過去曲。聞くのは何度目だろう。 何度聞いてもなんだか胸が熱くなって感極まってしまう。 高村光太郎 智恵子抄の「人に」という詩が元ネタです。
感情のこもった悲痛な「いやなんです」という詞が胸に突き刺さり、涙を誘う一曲だと思います。 心が壊れそうだよ〜って感じ。
https://www.aozora.gr.jp/cards/001168/files/46669_25695.html
- 「春と修羅」
修羅を感じる曲。 艶やかに情熱的に歌う小見川さんの姿が心に刻まれました。 和太鼓があるとやはり迫力がありますね。 マリンバもとてもおしゃれでセクシーな音色を奏でてくれて素晴らしかったです。 とにかく小見川さんは相変わらず歌が上手いんよな〜。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/1058_15403.html
今回のイベント中の曲ではありませんが小見川さんめっちゃ歌上手いので配信で聞ける曲も聞いてみてください。
まとめ
とにかくかなり手作り感のあるイベントでしたね。 物販もあったのですが売り切れてて狙ったものは買えなかったです。 まぁ次回があると思うのでその時を期待して待とうと思います。
他にも無料の自家製ドリンクが会場の後ろに置かれてたり、お見送りの時になぜかハグされたり色々ありましたが、イベントレポートはこれくらいに。
小見川さん自身、朗読イベントをライフワークにすると話したことがあるので、次があると思います。 実際名前を変えてイベントを行うと言っていたので、再び朗読が聴ける日が楽しみです。
もしこの記事を読んで興味が湧いた人がいたら行ってみるといいと思います。 朗読劇は声優さんのオタクなら参加することが多いと思いますが、劇形式ではない純粋な朗読と朗読劇は全く別物だと思っています。 一度こういった朗読イベントに来てみるといいでしょう